2013/07/18

virsh で 仮想マシンのスナップショットを取る

はじめに

仮想マシン上で頻繁に環境構築・破壊を繰り返す場合、仮想マシンのスナップショットを利用し、素早くディスク状態をもとに戻せると便利です。libvirt, Qemu/KVM は仮想マシンのスナップショット機能を実装しており、とても有用です。今回は virsh コマンドでのスナップショットの扱い方をご紹介します。検証環境は Fedora 18です。

スナップショットの種類

libvirt, Qemu が実装している仮想マシンスナップショットの種類には、以下の2種類がありあます。

- 1. 内部スナップショット
- 2. 外部スナップショット

1. 内部スナップショットは仮想マシンのスナップショットを一つの qcow2 ファイルで管理する方式です。スナップショット取得中は仮想マシンは一時停止状態になります。仮想マシンのディスクのスナップショットのみならず、RAM 状態やデバイス状態などの仮想マシン状態も保存できます。

2. 外部スナップショットは仮想マシンのスナップショットを外部の qcow2 ファイルで管理します。なんと、仮想マシンを停止することなくスナップショットを取得できます。仮想マシンディスク以外の仮想マシン状態を保存することは、今のところできません。また、今のところ、仮想マシン停止中にはスナップショットを取ることができません。
現状動作が安定しておらず、非常に実験的な機能です。

以下、仮想マシンの名前を vm1 として、virsh コマンドの使い方を説明します。

内部スナップショット

内部スナップショットの作成
# virsh snapshot-create-as vm1 snap1 "snap1 description"
ドメインのスナップショット snap1 が作成されました
内部スナップショットは仮想マシン稼働中でもスナップショットを作成できます(ただし、安定していません)。作成している間は、仮想マシンは一時停止状態になります。ストレージ性能や仮想ディスク容量にもよりますが、作成時間は数分かかります。

内部スナップショット確認
# virsh snapshot-list vm1
 名前               作成時間              状態
------------------------------------------------------------
 snap1                2013-07-18 16:43:11 +0900 running

内部スナップショット復元
# virsh snapshot-revert vm1 snap1
スナップショットの復元についても、仮想マシン稼働中に実行可能です。ただし、復元中、仮想マシンは一時停止状態になります。

内部スナップショット情報の取得
指定のスナップショット情報を取得する際のコマンドは以下です。
# virsh snapshot-info vm1 snap1
名前:         snap1
ドメイン:   vm1
カレント:   はい (yes)
状態:         running
親:            -
子:            0
子孫:         0
メタデータ: はい (yes)

スナップショット復元後は下記コマンドで現時点でどのスナップショットを使用しているか確認できます。
# virsh snapshot-info vm1 --current
名前:         snap1
ドメイン:   vm1
カレント:   はい (yes)
状態:         running
親:            -
子:            0
子孫:         0
メタデータ: はい (yes)

スナップショット XML ファイルのダンプ
仮想マシンに関する設定情報(XML ファイル)を含んでいます。下記コマンドで設定情報を出力できます。
# virsh snapshot-dumpxml vm1 snap1

スナップショットの削除
# virsh snapshot-delete vm1 snap1


外部スナップショット

外部スナップショット作成
# virsh snapshot-create-as vm1 disksnap1 "disksnap1 description" --disk-only --atomic
ドメインのスナップショット disksnap1 が作成されました
外部スナップショットは仮想マシン実行中のみ取得可能です。内部スナップショットとは異なり、仮想マシンを停止(一時停止)することなく取得可能(Live Snapshot)です。つまり、仮想マシン無停止での Live Backup が可能です。
外部スナップショット作成後はディスクスナップショットイメージが作成され、current snapshot が作成したスナップショットになります。
# virsh snapshot-info vm1 --current
名前:         disksnap1
ドメイン:   vm1
カレント:   はい (yes)
状態:         disk-snapshot
親:            -
子:            0
子孫:         0
メタデータ: はい (yes)

外部スナップショット確認
# virsh snapshot-list vm1
 名前               作成時間              状態
------------------------------------------------------------
 disksnap1            2013-07-18 17:39:44 +0900 disk-snapshot
 snap1                2013-07-18 16:43:11 +0900 running

外部スナップショットが作成されると、仮想マシンイメージファイルを格納してあるディレクトリ(デフォルトでは /var/lib/libvirt/images)にスナップショットファイル(vm1.disksnap1)が新たに作成されます。
仮想マシンは新たに作成されたスナップショットファイルを使用するようになります。
# virsh domblklist vm1
ターゲット ソース
------------------------------------------------
vda        /home/eiichi/vmimg/vm1.disksnap1
hdc        -

外部スナップショット復元
外部スナップショットの復元は、virsh edit で仮想マシン設定 XML ファイルを開き、disk タグの source タグのfile 属性を復元したいディスクスナップショットに指定します。現状では ディスクスナップショットへの snapshot-revert は対応していないようです。
# virsh snapshot-revert vm1 disksnap2

エラー: サポートされない設定: 外部ディスクスナップショットへの復元はまだサポートされていません

注意
外部スナップショットはまだまだ開発段階の機能です。無停止でスナップショットが取れますが、動作が安定しないのが難点です。また、内部スナップショット機能についても、仮想マシン起動中のスナップショット取得はやはり安定して動作しないことがあります。
安定した動作を希望する場合、一番安全な、"仮想マシン停止時"  の "内部スナップショット" をおすすめします。

参考文献
fedoraproject : Features/Virt Live Snapshots
QEMU wiki : Features/Snapshot
libvirt : Snapshot XML Format
kashyapc fedorapeople : snapshot handout

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